野球を見たよ

 私は野球などスポーツ一般にあまり興味がなくて、かといって他に趣味をもつかというと、昔は音楽を聴いたり映画を見たり本を読んだりしたけれど、何かただの一般的な消費活動なだけだったようにも思うし、今となってはまったくそういうものからも遠ざかっていて、何でかなーと思うんだけれど、たぶん私、今、ただ生きるのに精一杯なんでしょう。

 昨日、ラボの人がみんなで行きましょうというので、ペトコパークに、パドレスドジャースの試合を見に行ったわけです。まあこんな誘ってもらえる機会でもなければ行かなかったとも思う。父親と弟と一緒に、広島と大洋のナイターを見に市民球場へ行ったのはもう25年以上も前。屋鋪という選手に酒に酔ったカープファンが「オバケ屋敷〜」というしょーもない野次を飛ばしていたのを覚えている。外野のとんでもなく遠い席だったので、かろうじて、ああ、なんか向こうで野球らしきものをやってるな、というのが判別できる程度。アメリカ生活中に「いちおうメジャーリーグ観戦押さえときました」的な経験だったけれど、家族とすごす休日らしい一日で楽しかった。

 試合が終って帰ろうと車に乗ろうとしたら、隣りの車の中でカップルがほとんど性行為に近いことに夢中になっていた。男性が思いきり女性の短いスカートの中に手を突っ込んでゴソゴソしている。野球の試合を見て何を性的に刺激されたのかさっぱり理解できない。俺のパドレスをお前のドジャースの中に…みたいな事言ってるんだよきっと。いや、俺のドジャースをお前のパドレスにかな、なあ、どっちがパドレスでどっちがドジャースだとどう思う? なあ? 無視すんなよ? と妻に尋ねると、「日本に帰りたい」と言われた。