フツーの院生に戻りたいと思います

 みんな聞いて、聞いてー。明日で大学病院の病棟から開放されるのー。(棒読み)

 今、私、当直してるんだけど、サマリーとか申し送りとかニヤニヤしながら書いてる。明日のカンファレンスが終ったら、外勤行ってそのまま直帰してやろうと思ってる。何かさっき外傷で入院があったけど、ローテーション的には私が受け持ちじゃないから嬉しくて嬉しくて…何ていうの、銃弾がガンガン飛び交ってるけど、土塁の隙間に隠れてて弾には当たらないよー的なドキドキ感…

 まあ、つまらない仕事のことは置いといて、こないだ、病棟業務を堂々と休んで(だって旅費グラントが当たったんですものー)たった一人でスイスの学会に参加してきました。開催地はスキーリゾートなので、スキーくらいしかすることがないの。で、私はほんの少しだけスノーボードをやった事がある程度だけど、果敢にトライしてみた。まあ、ブランクのあるオッサンがたった一人で異国の地でスノーボードとは、無謀極まりなくて、しこたま転んで、ヨーロッパの美しい子供たちに笑われたり…。ゴンドラの頂上からふもとに滑ってくるまで2時間かかったけど、ほんと脊損にならなくて良かった…

 で、あんまり滞在時間もないけれど、スイス鉄道の雰囲気を味わおうと思って、ベルニナ鉄道っていうのに乗ったのさ。スイスから北イタリアまで続いてる鉄道なんですけど、最後まで行くのは時間がかかりすぎるので、途中で、すばらしい眺望が得られるって書かれてたアルプグリュムって駅まで行くことにした。 「世界の車窓から」っぽく、車窓の風景でも楽しもうかしら…とわくわくしていたのだけれど、途中からなんか怪しいことに。


吹雪いてて、車窓まっしろ…


着いたアルプグリュムって駅はこんな感じ。景色は何も見えなかった。


岩肌に下がったつらら達にお前ら物好きだな…と言われてるかのよう。


何らかの事情でもしも喫茶店が閉まってたら死んでたかも。北海道で路上生活してるワーキングプアの人が昨日テレビに出てたけど、もしそれが本当なら大変だと思ったよ。


15分後にヌボーッと逆向きの電車が来たので引き返した。

 で、私、大学生のときに弟とナイアガラを見に行ったときのことを思い出したよ。3月というと滝も一部凍ってるような季節だったのに、何を思ったか、花時計っていうのを見に行こうと、結構離れてたけど二人で歩き始めたのさ。で、普通の自動車道の脇を歩いていくんだけど、吹雪いてて死ぬほど寒くて。途中で、弟が「兄ちゃんこれヤバイ。死ぬかも」って言い出して、ほとんど車も通ってなかったけど死に物狂いで停めて乗せてもらって。花時計に行く途中だって行ったら「おまえら……この季節はノーフラワーに決まってるだろ!」って言われて、一応連れてってもらって「ほら、ノーフラワーだろ。誰もいないし」って諭されて、ふもとの街まで送ってもらったのを思い出した。今回もそれと全くおんなじ…

 まあ、4月から私、性懲りもなくフツーの院生に戻りたいと思います。