誕生日

 昨日私は35歳の誕生日を迎えた。日曜日だった。誕生日の人間は入場が無料になるということらしいので、家族を連れてアナハイムのディズニーランドに行った。いつも私らは出る前に大ゲンカになる。「30分で支度する言うたのに、何で洗濯もん、干し始めんねん!」「しゃーないやろ、あんたもKちゃんに服着替えさせたらええやん!」「何着さしてええかわからへんから聞いてんねやろ!」「そんなもん、自分で考えーや!」「何やそのエラそうな態度は!」…ベーグルを買いに行って、ラボでほんの少しだけ作業して、チケットを買うのにも多少待たされて…ていうか、もうなんか20分以上、窓口で粘ってる家族とかいるし、どこやらへ電話をかけ始めるし、アメリカの窓口業務っつうのはもうほんとに驚かされることが多い。「チケットください」「はいよ」普通、2分で終るやん。やっと入れたのは、息子の起床から5時間後で、超眠そう。二時間ほど連れて回って、しょっぱいピザを齧らせて、「寒いやろー、これ飲みー」強烈に甘いホットココアを飲ますと、案の定寝始めた。ディズニーランドの向かいの、カリフォルニア・アドベンチャー・なんたらかんたら、に入ったのだけれど、ここはワインがおいてあるので、夫婦で飲んでしまい、暗くなって、なんかムシがワサワサとダンスをするようなパレードが始まって、息子は寝てるし、自分らのためにこんな賑やかでキラキラしたイベントを見るとは何事だろうか…と夫婦で顔を見合わせて戸惑い、そして帰った。帰りの車では、私の同期が二回目の結婚式を盛大に開いて、私が二回目のお祝いにも3万円を包んだ話になり、「ふつー二回も結婚式同じレベルでせえへんやろ…常識があったら…あんたの同期もようそんだけ集まったなあ」「そんなんいうても、向こうのお嬢さんは初婚やねんから、同じかそれ以上にしたらなあかんねんて。まわりがなんぼ言うても二人の問題やし、しこりが残って、いつまでも奥さんにぶちぶち言われたらたまらん。俺やったら嫌」「そんなんは一生背負ってってもらわなあかんにきまってるやろ、あんたとはほんとにとことん意見があわへんわ…もうね、あの3万円がね、今ね、ここにあったらね…」「結局、それか」みたいなことを話しつつ帰った。