初対面の子供さんにブサイクと言い放つテスト

私、大学院生なんでアルバイトしないかぎり収入がありません。

内容は医局管理のバイト病院での外来で、18時からの整形外科の夜診を週に2回やってます。午前の診察はお年寄りが多いんだけど、夜の診察になると仕事帰りの人や学校から帰ってきた小学生なんかが増えるので、やや平均年齢が下がる印象があります。

先日、学校の帰りにお友達とふざけててドブに落ちたという、悲惨な下校ライフを満喫したという小学生が受診したんです。半べそをかきながら。なんて可愛らしいんでしょう。幸い、ひねったという足は大した事なかったんですけども、転んだ拍子に鼻の下を少し擦りむいていたのでガーゼを当てました。

いつもお年寄りばかり診ている私にとって、このみずみずしさの塊のような患者さんには気の利いた言葉の一つでもかけたくなります(お年寄りに罪はない)。「すぐ治るからね」とか「これは痛かったねー」とか「元気だしてね」とかそういうの。

一般病院に勤務して外科系当直をやってたときは、外傷を診る事はしょっちゅうで、顔面の外傷で来た子供さんには処置をした後、「どんな事をされるかわからない」という恐怖におびえていた小さな患者さんの労をねぎらう意味を込めて「痛いのに、よく頑張ったねー」とか、絆創膏を貼って若干ワイルド化した顔に対して「男前になったねー」などと声をかけていたんです。

どうかしてたんだと思う。「男前」と言おうと思ってたのに間違えて絆創膏を貼った顔をしげしげと見ながら「おーブサイクになったねー」って言っちゃったよ! 全然ヒネってないし。すかさず、「け、けど、大した事ないから! 明日にはガーゼも取れるし!」などと取り繕ったりしたんだけど。

直後、お母さんが「先生〜うちの子にヒドいわ〜」と何故か爆笑してくれたので助かりました。小さな彼が気にしてたら本当に悪い事をしたと思う。こういうのもドクターハラスメントになると思うので気をつけたい。