1998年8月14日「たのしい合コン」

ちょうど8年前のお盆に書いた日記が出てきたので載せます。
この頃は一体何にイライラしてたんでしょうか?
もっと勉強しろと言ってやりたいけど、正直この頃に戻りたい!


 合コンに呼ばれたのでさっそくおめかしして梅田まで出かけていった。この日現れたのは○○大学4年生の仲良し女子大生四人組み。「天狗」という居酒屋でさっそく宴が始まった。最初に自己紹介なんかをやっていたが、腹が減っていた僕は、女のコの話も聞かずに大根サラダをガツガツ食ったり、店員を呼びつけては、早くもビールをお代わりしたりしていた。

 さて、宴もたけなわとなり、僕もほろ酔い気分になってきたころ、ふと向かいに座っている女のコが、マグロのお造りを一人で抱えて食っているのに気が付いた。名前が思い出せなかったので「オイ!てめえ一人でそれ全部食うんじゃねぇ!」とてめえ呼ばわりしながら語気荒く注意したところ、「何でアンタなんかにそんな呼ばれ方されなきゃなんないノヨ!」と鼻をフゴフゴいわせながら口答えしたので、いつもは心穏やかな僕も、お酒が入っていたせいもあってか、売られた喧嘩を喜んで買ってみることにした。

 僕はスックと立ちあがると、一人一人女のコ達に指をさしながら、「オマエラ名前覚えるのめんどくさいから、今から全員番号で呼んでやるッ!顔がカワイイ順だッ!オマエ1番!オマエ2番!オマエとオマエは、醜さで甲乙つけがたいというか、もはやどうでもいい存在なので、願わくば即座に帰って欲しいが、テーブルの時計回りにオマエが3番!オマエが4番!以上ッ!」と言い放って鼻息荒くドッカと椅子に座った。

 すると、4番を付けてやった例のマグロ好きな女が、醜い顔をさらに醜く歪めながらイボガエルがうめく様な声で「ヒド〜い。あんな事言うなんて…」と言い、3番と2番も「何なのよ、この男…」という顔をしたが、1番の女が少し嬉しそうな顔をしたのを僕は見逃さなかった。

 さらに、幹事の男が「女のコになんて事いうんだッ!折角の楽しい飲み会が台無しだッ!君ッ!この子たちに謝れよッ!」と何のヒネリも無い事を言うので、ムカついた僕は左手に持っていた火のついているセブンスターを幹事の眉間に押し付けてやった。額を押さえながら床でのたうちまわる幹事の横ッ腹に何度も蹴りを加えながら、僕は謝るどころか女のコたちにこう言ってやった。

 「やい!この雌ブタども!盆だってのに合コンとはイイ身分だな!家族と墓参りには行ったのかッ!ご先祖の供養は済ませたのかッ!この平和ボケどもめ!呑気にアプリコットジンジャーなんか飲んでる場合じゃねェんだよッ!それになんだ!その眉毛はッ!あからさまに作ったような眉しやがって!どいつもこいつも自分で描きすぎなんだッ!」突如、狂人に豹変した僕をまのあたりにした彼女達はすっかり恐怖で怯え顔になっている。

 口から泡を吹きながらなおも何事かわめき散らす僕。荒荒しく4番のマグロ女の頭を掴み、親指にツバをつけて、眉をゴシゴシとこすってやると、なんと眉がキレイに無くなってしまった! その変わりようが非常に愉快だったので、残った女どもの眉もかたっぱしからこすって消してやった。しかし、1番の女だけはどうやら自前の眉みたいだったのでヒップハングの後ろポケットから携帯用T字カミソリを取りだし、青々と剃り上げてやった。その瞬間、言い知れぬ快感が頭からつま先まで体中を走り、居ても立ってもいられなくなった僕は、携帯用T字カミソリを片手に雄叫びをあげながらアーパーな女どもでごった返す梅田の町に飛び出した。(つづく)