本当は泣きたい「鏡の法則」

今となっては言及するのも野暮な感じの「鏡の法則」ですが、この話を泣けないまでも、せめて「ふーん」くらいにもっていけないかを考えてみました。批判するだけで代替案を出さなければ万年野党の座に甘んじても仕方がない訳です。

【関連リンク】
みやきち日記 「嫌い」に向き合わないA子が嫌い - 「鏡の法則」について(2)
strange:鏡の法則
煩悩是道場 - 「鏡の法則」で泣いてみる

元凶は登場から隠そうともせずにうさん臭さを放つB氏と、自己啓発やいかがわしい宗教に対する免疫力が低下し、はたから見てると危なっかしい(故に腹が立つ)ノイローゼ主婦A子ということにしときましょう。

A子は心がクタクタに疲れきっていて、息子がいじめられていると思い込んでしまっていたというオチなんですよね? 実際は「いじめ」のようなものではなかったと。勝手に勘違いしてオロオロしてただけなんだと。なぜならノイローゼだから。

そんなわけでB氏は最初から居なかった事にしてA子が自分で勝手に解決しちゃったという話にすれば良いのです。もっとも簡単な方法は「夢オチ」「妄想オチ」などのいわゆる「脳内オチ」であります。(e.g. 「ハイスクール!奇面組」「ハイド・アンド・シーク」「シークレット・ウインドウ」)付け加えれば良いだけ。


【エピローグ】

父との事、息子との事、そして夫との事。家族に対する見方や接し方が変わったことで心が軽くなったような気がしたA子はあらためて夫に感謝した。

「あなた、本当にありがとう。Bさんに助けてもらってなかったら私はいつか壊れてしまってたかもしれない。Bさんに相談してくれたのはそもそもあなただものね…」

「は? Bさんって誰や。(関西弁)」

「ちょっと。冗談言わないでよ。あなたの高校の時の先輩の。相談に乗ってくれたじゃない…」

「えー? お前こそ大丈夫なんか? たしかにお前、最近疲れとるみたいやったからなぁ。○○○(息子)は大丈夫なんやって言うても思いつめたまま、ぜんぜん聞く耳持ってへんかったし。ご飯もあんまり食べてへんみたいやったし。まーお前はいつもの事なんやけど(笑)」

「え…」

「まぁ。何がきっかけかわからんけど、お前がちょっと元気になってくれて良かった」

「BさんからFAX来てたのよ! 本のリストが…何とか博士っていう…」

A子は訳がわからなくなった。

「え? あーあの間違いFAXの事か? あて先は駅前の本屋になってたから送り直しといたわ。ほら、前にもあったやんか。ほんまにどうしたんや?」

A子はめまいがして床にへたりこんだ。

「A子! A子!」

心配そうに私の顔を覗き込み、何度も呼びかける夫。私はしみじみと夫の顔を見つめた。こんなに真剣に私を見つめてくれる夫が私のそばにいる。

「大丈夫。大丈夫よ…」

そういえば何で父親に電話したのか今となっては記憶があいまいになってきていた。あの時、私はなぜか父親に電話をした。しなければならないような気がした。父がもう一度私との父娘の関係を望んでいたことぐらい本当はわかっていた。わからないふりをしていただけだった。

そうして私は自然とBさんを心の中に描きその後の行動をとっていたのだった。私は自分から父親に電話をかけるのじゃない。B氏に言われたから理由もなくやってみた…という事にしたのだ。今思うと父親に対するささやかな抵抗だったのかもしれない。

B氏は私自身なのだから今さらややこしい理屈なんていらない。だって父娘の事だもの。あとは行動するだけだった。そうしなければ何も出来なかった。でも、もうどうでも良いような気がした。私はしばらく悪い夢を見ていただけなのだ。私のことを想ってくれる両親はずっとそこにいたわけだし、私のそばにはやさしい夫とかわいい息子だっているのだ。私は幸せだと思わなきゃいけない。いや、そうじゃない。私は本当は幸せだったのだ。(なめとんのか!)


【エピローグその2〜息子もいなかった編〜】

父との事、息子との事、そして夫との事。家族に対する見方や接し方が変わったことで心が軽くなったような気がしたA子はあらためて夫に感謝した。

「あなた、本当にありがとう。Bさんに助けてもらってなかったら私はいつか壊れてしまってたかもしれない。Bさんに相談してくれたのはそもそもあなただものね…」

「は? Bさんって誰や。○○○(息子)はもう帰ってけぇへんねんで? 去年ダンプにはねられて…うっ うっ うっ…」


【エピローグその3〜宇宙人の仕業だった編〜】

父との事、息子との事、そして夫との事。家族に対する見方や接し方が変わったことで心が軽くなったような気がしたA子はあらためて夫に感謝した。

「あなた、本当にありがとう。Bさんに助けてもらってなかったら私はいつか壊れてしまってたかもしれない。Bさんに相談してくれたのはそもそもあなただものね…」

「は? Bさんって誰や。(関西弁)」

「ちょっと。冗談言わないでよ。あなたの高校の時の先輩の。相談に乗ってくれたじゃない…」

「うっ。Bさんは確かに…(躊躇の色)」

その瞬間夫の体はすさまじい勢いで空に吸い込まれていった。(Forgotten風に)