またもや葛藤中

 車はすでに一台買った。買い物に車は必須なので普段は妻が使うとして、私の通勤はどうするかというと、1.顕微鏡とクリーンベンチが空いてるし、早く帰りたいので朝6時には実験を始めたい 2.バスは乗継が要るけど車だと10分で楽、という理由でバス通勤は却下して車で行くことにした。もう一台何を買うかというと、選択肢はいろいろある。もちろん通勤に使うだけなので、10万マイル以上走ったボロボロの車を探し出して3000ドルで買うとか、まあもう少し安全そうなディーラーで保証の付いたTOYOTA、HONDAの4ドアセダンを10000ドル出して買うとかまあ選択肢はいろいろあるだろうけど、まあなんという夢のない買い物だろうかと思う。実用性から選ぶような車には本当は乗りたくないのである。だからいくらリーズナブルであろうと数千ドルだすのは惜しい。

 最初に買ったSUVというカテゴリーだって今は気に入って乗っているけれど、最初はあんまり欲しくなかったのである。日本ではまず買いません。まあそうは言ってられないので、適当に何か選ぼうかと思っている。じゃあ予算に制限がなければ何に乗りたいかと考えると、やっぱりもう少しほらなんていうか、所有して満足するような夢のある車なわけですよ…で、現実的なギリギリの線として、ディーラーをまわって23000マイル走った程度のよさそうな保証つきの2005年のLexusES330を見かけて本気で買っちゃおうかと一晩悩んでしまった。25000ドルである。3年後に半額で売れるとすれば、えげつない無理をすれば買えないこともないかもしれない。まだ銀行口座にお金は残っている。カリフォルニアに来て、大きな車がよく走っているのを見ると、家族でアウトドアー的な気分になって、ディーラーでは「おやじ! 何でもいいからSUVをくれ!」的な買い物になる方々も多いと思うけれど、そんな中で、ラグジュアリーなセダンに乗ったりするのが真にカッコイイんですよ。

 しかし、さすがにそういうことはやめておこうと思いとどまった。だってね、そう長くは居られない可能性の高いアメリカでさらに25000ドルですよ。ほかに使い道はたくさんあるわけですよ。愛する家族とおいしいものを食べたり、旅行に行ったり。日本にいれば何とかなるかもしれないけれど、今はやっちゃいけない事なんだろう。それに日本だったらもう少し頑張ってお金をだしてもっと良い新車を買おうとするだろう。私たちは今、特殊な状況のなかで貧乏家族であることを自覚しなきゃいけいないのだ。お前たち、早くサンディエゴに来ておくれ、さもないとお父さんはとんでもない事をやらかしてしまいそうだよ。ちょっと夜はジョギングなどで外を走り回って煩悩をどこかに追い払おうかとも考えている。