救急外来を受診するミモザさん

 あまり最近流行の音楽に詳しくないので不安なんですが、ラジオなどでゴスペラーズというマイクハナサーズ的なネーミングセンスのグループが「ガラスの靴で踊るミモザ…」って歌ってるのを時々耳にする事があって、聞くたびに切ない気分に襲われますので、この場をお借りして寛容な皆さまにもおすそ分けしたいと思います。

 靴がガラスで出来ているなんてとっても危険だと思います。たぶん、この靴は容易に割れます。踊ってるうちに何かの拍子でガラスの靴が割れて、無数のガラス片がミモザの柔らかい足の裏に突き刺さって…まあ、たぶん昼間っからガラスの靴で踊ったりできるような酔狂な人いませんから、時刻は夜中でしょう。大体、夜の1時をまわったあたりから、ミモザは頭が軽くヘンになって、ガラスの靴を履いて今夜は踊っちゃおう的なノリで…

 で、ミモザさんが何者かは良く知らないんですけど、その浮世離れした名前から水商売の女性か何かだと思うんですが、同棲しているチンピラ風の男性に連れられて、救急外来を受診されます。「イタイ、イタイよぉ〜」と泣きわめき、興奮状態のミモザさん。今夜はもしかして眠れるんじゃないかしら…外科当直医が抱いていたささやかな期待を粉砕いたします。さらには「一個でも足にガラスが残っとったら、承知せえへんからなコラ」というチンピラ男性の言葉がこの哀れな当直医の生きる気力を強力にドレナージ。それにしても「何で夜中にこんな有り得ない怪我するんや…」って思うことありません?

 そんなわけで、いかなる理由があろうともガラスの靴なんか履くべきじゃないと思うのです…