母親の書いた出産ノートが出てきた

 毎度、私の露悪趣味にお付き合い頂いている皆様には本当に感謝しております。週末は地元の知り合いの結婚式のために田舎に帰っておりました。

 前日には実家に泊まったのですが…母親が物置から一冊のノートを取り出して来て私に読ませるではありませんか。妻の妊娠にインスパイアされたのか、母親もなにやら自分のお腹が大きかった頃を思い出したらしい。「私も忘れてたけど…あんたがお腹に居た時の日記が出てきたのよ」ほう…私が生まれる前の記録…父親のドメスティックなバイオレント・シーンなどが描写されてたらどうしよう…などと開くのが恐ろしかったのですが、意外と中身は素朴な妊婦の日誌。私が偉そうに言うのもなんですが、母の愛みたいなものでしょうか。

 まずは私の胎動シーンから。母親の記録をみるとあまりドラマチックなものでも無かったらしく、淡々と記録されていて残念…私自身も全く記憶に残ってないのですが、もっと子宮をスウィングするようなグルーヴ感を動きの中に織り交ぜた方が良かったのかも。さっそく親孝行に失敗したみたいで落ち込んでしまいます…

 定期検査の結果なども細かに記してありました。意外と几帳面。

○月×日

 AM 9:00 点滴開始
 PM 2:58 出産

 陣痛が弱くて第Ⅱ期やや困難
 破水は人工的(内診時破水)
 子宮頚管裂傷 4時方向
 会陰裂傷

 第Ⅱ期娩出期 陣痛が弱く助産婦さんが腹部にまたがり押し出す。
 胎児心音が弱くなったため、直後すぐには泣かなかった。
  羊水を飲み込んでいたためを思われる
  羊水が混濁しているとかすかに聞いた様に思う
 第Ⅲ期はほぼ順調
  出産後ねむれなく外の声が聞こえていた

 どうやら私、生まれたらしいのですが、裂傷させてしまってごめんなさい! 今度生まれ変わる時はサナダムシになって出産時の負担を軽減してあげたい…

△月□日

 AM 8:00 国立到着
 PM 11:25 出産

 ちなみに、弟の誕生日についてはこれだけ! 二人目の子は出産前からも極端に記載が少なく(まあ1歳ちょっとの私がいたら忙しくてそれどころではないのでしょうが)…出産の日に関してはたったの2行…弟が読んだらちょっとむくれそう。ごめんな…母親の愛情のほとんどを注がれたのは実は兄ちゃんだったのだよ。

 当時の子育てに関する新聞の切り抜きがスクラップされていました。32年前の記事にも、やたらと夜中に病院に患児を連れてこないように書かれています。理由は十分な検査が出来ないからだそうですが、まあ、現在でも問題は変わってません。

 母さん、無事に生んでくれて感謝しとります…